真言宗 共生庵

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賓頭盧尊者

賓頭盧尊者びんずるそんじゃ)という阿羅漢(あらかん)がいらっしゃいます。

 

阿羅漢とは、修行者の最高位であり悟りを得た人物を指します。

解脱しているので、もう生まれ変わることもない。

つまり仏様とあまり差はない存在。

 

自身の悟りを目指して、修行したのが阿羅漢。

仏様は、他者を悟りに導くことも目指していますので、違いとしたらその部分です。

 

先述の賓頭盧尊者は、日本で最も有名な阿羅漢の一人。

 

賓頭盧尊者は「なで仏」として祀られていることが多くあります。

真っ赤な高齢のお姿で祀られています。

 

神通力に優れており、沢山の人の願いを叶えていたそうです。

また、お酒が大好きで、飲み過ぎで失敗の逸話が多分にある。

そういったこともあり、お釈迦様にたいそう叱られたとのこと。

 

お釈迦様は、そもそも神通力をもって人に何かを施すことを良いとしておられませんでした。

そこに重ねてお酒の失敗もあったため、賓頭盧尊者は「解脱せず、現世に留まり人の為に尽くせ」とお釈迦様に命じられたそうです。

 

そのため、未だ人を救うため「なで仏」として鎮座し、「生きている」とのこと。

 

僧侶が集い、食事をする「食堂(じきどう)」の一番上座(最も修行した者が座る場所)は空席になっています。

理由は「賓頭盧尊者が座っているから」です。

 

修行中に、その席が空いている理由は教えられませんでしたが、後々に知って「そうだったのか!」と驚きました。

「そういえば、食堂に向かって唱えるお経にも『南無 賓頭盧尊者』って唱えてた…」と気付かされます。

 

今も生きているという伝承を、我々も守っていたのです。

過去から現在に至るまで、色々と繋がっているのだと実感しました。