真言宗 共生庵

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修行道場のこと

先日、修行道場の同期たちと会いました。

 

私の入った道場は年齢制限があります。

修行内容自体が、体力も気力などが加齢とともに厳しくなるからです。

 

大半は20代中心、30歳超は片手程。

完全にシニア扱いです。

私の場合は、その中でもレアな「30オーバーで、未経験、かつ在家出身」という存在。

ハンディキャップが盛り沢山でした。

 

2周り以上歳の離れた者もいる中で、力を合わせて、何とか定められた修行内容をクリアしていきます。

チームでやらないと、絶対に乗り越えられないような難関です。

 

しかも、それらはノーヒントです。

自分たちで探って、努力していきます。

 

朝は3時くらいに起きて、夜21時消灯。

パンパンに詰め込まれたスケジュールの中で、自己鍛錬もしていかないと間に合わない。

とにかく時間が無い。

5分の時間を作るために、相当な努力が必要です。

 

睡眠や風呂、トイレの時間を削って何とか捻出します。

睡眠時間が2時間だけという日々が続きました。

一食あたり、ペットボトルのキャップ一杯くらいの水分にしてトイレの回数も減らします。

 

厳しい日々です。

私の世代は体罰も当たり前。

失敗や間違いなどあれば、容赦なく鉄拳が振るわれます。

激しい指導で、畳や板の間に血が落ちてることもザラにあります。

 

更に、厳しいルールも多分にあります。

無論、電話やスマホなどは禁止。

食事は精進。

外出禁止。

テレビやラジオ、雑誌や新聞も禁止。

笑うな歌うな走るな喋るな…などなど。

他にも細か過ぎるルールがおびただしい数あります。

 

戦争が起こっても、身内が死んでも山を降りることは許されません。

降りるときは、道場を辞めるか卒業するまで我慢するかです。

 

あまりの厳しさに脱走や退寮などもあります。

 

何とか支え合って、ときにぶつかり合って過ごした大切な時間。

 

道場を卒業してから、それぞれがそれぞれの道を歩いてますが、顔を合わせたら「あのとき」に戻ります。

振り返ればとても楽しかった日々です。

 

それで得られた最大の尊いものは、一生続く縁と絆と思います。

 

みんな、口を揃えて「何だかんだで楽しかった。あれで良かった。」と話します。

でも「二度とやりたくない」とも話します。

 

今は相当にルールも緩和されて、体罰ご法度だそうです。

時代に合わせないと、そもそも入寮者が来ないとか。

 

修行の意味が問われます。

 

体罰や暴力を肯定はしません。

けど、私はあの厳しさで育てられてラッキーでした。