馬頭観音様の頭には馬の頭部が載っています。
この馬の色は、尊像により白か碧に分かれます。
色によって、司るご利益が異なるという説があります。
白は「息災」を表すと言われており、基本的には「災いを息(やす)める」ご利益があります。
大概の願いは「息災」に通じているとされ、オールマイティーです。
碧は「調伏」のときに用いると言われています。
碧といっても、ブルーではなく「青黒(深い緑に近い色)」です。
調伏はしばしば、怨敵退散という言葉でよく表されます。
馬頭観音様はヒンドゥー教のヴィシュヌの馬の姿に変化して敵を追い払ったという神話が起源と言われています。
その由縁で「調伏が得意」とされたのでしょう。
馬頭観音様は、日本各地で祀られていますが、碧が多いそうです。
馬頭観音様の起源に基づいてるのが理由かと思います。
因みに当庵の馬頭観音様も碧馬頭。
とはいえ、以前に書いたように調伏は愛が根底にありますので「癒やしの力」です。
「災いを息める」も「鎮める」ということですから、癒やしという点で共通しています。
結局、色がどうでも関係はあまりないため拘る必要はありません。
単に仏像などを見るときの「雑学」と思ってもいいのかと考えています。