共生庵のご本尊様は馬頭観音様です。
以前にも書きましたが、この仏様を本尊にお祀りするお寺は多くありません。
西日本では、西国三十三所観音霊場の巡礼が盛んに行われていますが、その中でも馬頭観音様を本尊にしているお寺は片手で数えられます。
先日、当庵の信者様が西国三十三所霊場で、馬頭観音様が本尊のお寺に行ってきたとお話してくださいました。
大阪にある施福寺というお寺ですが、大変険しい山道を登った所にあるお寺です。
私も、何度か訪れたことがあり、共通の話題で盛り上がりました。
「まだ登るの?」というくらい、あまり整備されていない階段を45分ほど登り、ようやく本堂に行き着きます。
お祀りされている仏様を、写真に撮っても良いというお寺の方針が、ある意味有難い。
儀軌(仏様や密教について、何故そうするのか、何故そのような姿なのかの根拠となるもの)には、立ち上がろうとする様子を表すため、右足の裏を見せていると書かれています。
しかし、こちらお寺の馬頭観音様は、両足の裏を見せています。
この馬頭観音様を彫った仏師が、衆生救済のために、より素早く立ち上がろうとする馬頭観音様を表現したのだと思います。
また、こちらは猛々しいご尊顔の馬頭観音様。
御厨子の格天井(ごうてんじょう→最も格式の高い建築様式の1つ。偉い人が過ごす部屋に施されます。)が美しさを際立てます。
当庵では馬頭観音様は「立像」です。
仏像と言っても、木像や鋳像、石像や絵像など様々。
当庵はお軸に描いて頂いた「絵像」です。
仏画師の知り合いの方に、かなりのワガママを聞いて頂き、描いて頂いたこの世にお一人の馬頭観音様です。
写真撮影はNGなので、ここには残念ながら載せられません。
しかし、完全秘仏という訳ではありません。
また、機会があればご紹介致します。