愛語とは、心のこもった優しい言葉のことです。
「愛語(あいご)にはすべてを一変させる力がある」というのは、曹洞宗をお開きになった道元(どうげん)師のお言葉です。
以前に、お布施について書きました。
そのお布施の1つに「言施(ごんせ)」というものがあり、愛語と同じような意味です。
多くの人たちは、何かを相手に話すときに、「言いたいことを言うこと」と「言いたいことを伝えること」を意識しています。
「言いたいこと」を言いたいように話すことは、相手の気持ちを無視してる状態です。
不快にさせたり、悲しませたりするかもしれません。
そして、言葉を受け取って貰えないかもしれません。
どうやったら伝えられるか。
伝わるように話すことです。
相手に合わせた言葉、気持ちに配慮した言い回し、場に沿ったトーンや、聞きやすいテンポ、プレッシャーをかけない表情。
相手を慮る。
それは、まさに愛語です。
お布施の1つでもあり、とても尊い行動です。