亡くなられた方の枕元でお経を唱える枕経というものがあります。
お経の名前ではなく、行為を指す言葉です。
亡くなられたら、僧侶がそのご遺体の側でお経をお唱えすることを枕経といいます。
目的は「安心してもらうこと」。
亡くなられたすぐは、肉体から魂が抜けていてパニックになる方がいます。
お経を説いて、不動明王様や阿弥陀如来様の御加護を受けられるようにするのです。
枕経においては何よりも故人様が優先だと、個人的には思っています。
なので、挨拶も簡単にしてすぐに読経。
何故そうするかは、後に説明とお詫びをすると大概はご遺族様もご納得くださいます。
以前に枕経をしたときは故人様から強い「混乱」の意識を感じました。
読経も声がうわずる感覚。
かなり苦しい時間でした。
ご遺族様にも「もう大丈夫。安心して」と故人様に心で伝えてもらいながら行い、無事に務められました。
改めて、大切なことなんだと実感しました。