お墓じまいということで、法要がありました。
作法自体は難しくはないのですが、なかなか厄介な案件です。
お墓じまいといっても、形は様々。
お墓を完全に無くして、合同墓に合祀するのか。
お世話になっているお寺に納骨するのか。
手元にお骨を置いて、手元供養するのか。
その他にも色んな形があります。
ご事情を施主様から聞いて、やるべき作法を組み立てていきます。
いわゆる魂抜きの作法です。
しかし、一番難しいのは「表白(ひょうひゃく、ひょうはく)」です。
これは、法要の目的を仏様に宣言するというものです。
作法の途中で出てくるのですが、お墓の移転や、墓石の作り直しなどに伴うものには対応する例文などはあります。
それらは「再びお墓に入る」ことを前提に作られており、後々にお墓に入ることを約束してから魂を抜くのです。
魂を抜きっぱなしで済ますような形には、なっていません。
最近は、「お墓の管理が難しいから、もう骨はお寺に納骨して、墓は取り壊します」というのが多い。
つまり魂を抜くだけ、という形。
この内容にハマる表白はありません。
ないから作るしかないのですが、なかなか難しい。
魂抜きっぱなしで、故人様たちは納得してくれるのか…永代供養してくれるお寺があるなら引っ越し扱いで唱えるか…
施主様にも、故人様にも、仏様にもご納得して頂ける内容を伝えるため、頭を悩ませます。