真言宗の僧侶が使っている念珠は、珠が108個ついている長いものです。
基本的には、左腕に一重にかけて拝みますが、手に持って動くときは二重に巻いて持ち歩きます。
懐に直すときや、机に置くときなどは三重にするなど、色々な取り扱いルールがあります。
念珠は、仏様を念じるときに使うので念珠といいます。
また、数を数えることに用いられるため「数珠」ともいい、どちらで言っても問題なしです。
念珠には色んな噂があります。
例えば「自分で買ってはいけない」説。
他にも「貸し借りをしてはいけない」説。
1つ目の、「自分で買ってはいけない」という説は誤りです。
いけないことはありません。
自分で買ってもいいし、誰かに新品をプレゼントしてもいいです。
この説の由来は、「葬儀」を連想させるから、縁起が悪いとのこと。
念珠→僧侶→葬儀
ということでしょうか。
確かに僧侶のイメージは、場合によっては良くない状況もあります。
私も、ある方が入居されている老人ホームに僧形で入ろうとしたら「縁起が悪いから入らないでほしい」と言われたことがあります。
病院も同じくです。
この念珠についても、そういうことなのでしょうね。
2つ目の、「貸し借りをしてはいけない」説は正しい。
これはやらない方がいいです。
念珠は法具の1つで、使い手の念が籠もります。
その場の間に合わせで貸し借りするには、リスクが大きいです。
ただ、使っていた念珠を譲る、譲られるということは良いと思います。
私も恩師に当たる方から、譲り受けた念珠を使っています。
「この人に使ってもらいたい」という優しい念が入った、とても素敵で有難い法具になると思います。