真言宗 共生庵

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供養の話

数年前、私が本山に勤めているときに「先祖が祟ってるので、お祓いをしてほしい」と依頼がありました。

 

基本的に、こういった依頼はお断りしていますが、この方は通常の先祖供養で申し込まれていました。

いざ、供養を始めようとした際に、前述のお申し出があった次第です。

 

改めてお話を伺いました。

要約すると、「悪いことが続く。家に仏壇もなく、墓にも行けてない。供養をしていないからきっと祟っている。」

とのことをでした。

 

お墓は、この先どうするか考えないといけませんが、それなら「お祓い」ではなく供養の方がいいのでは?と、お伝えしました。

 

「供養はお金がかかる」

きっと切実なのだと思います。

お気持ちは分かります。

しかし、お金をかける必要はありません。

お金をかけなくても、大切にすることが大事です。

お墓参りに行けなくても、家に仏壇がなくても出来ることは沢山あります。

 

そもそも、御先祖様を祓うということは、自分の存在を否定しているのと同じです。

むしろ、祓うなんてしたら余計にとんでもない事になります。

 

御先祖様は、基本的に子孫を祟りません。

気付いて欲しいことがあるから、メッセージを送るだけです。

それを悪く取るから「祟り」とか「呪い」になるのだと考えています。

 

今回の「悪いことが続く」のもメッセージかもしれません。

まずは供養をしながら、悪いことが起こる根本的な原因を見極めていくことをお勧めしました。

 

その後、3ヶ月程経って再会したときに、色々工夫しながら供養を続けていると仰っていました。

悪いことも、徐々に良いことに変化しているとのことでした。