私の好きな教えの中に「四無量心(しむりょうしん)」というものがあります。
他の存在に持つべき、慈(じ)・悲(ひ)・喜(き)・捨(しゃ)の4つの心のことを指しています。
無量は、広く大きいという意味と、計り知れないものを表します。
慈悲という言葉は有名ですが、四無量心では、慈と悲は別の心を示しています。
「慈」は、他者に喜びをもたらそうとする心
「悲」は、他者の悲しみや苦しみを取り除こうとする心
「喜」は、他者の喜びを共に喜ぶ心
「捨」は、他者に対して偏りのない平等な心
解釈は色々ありますが、「捨」については「人の為に心を砕いて行動し、それに恩を着せずこだわらない心」とも言われます。
これら4つの心を修めることが出来れば、苦しみや悲しみ、怒りや貪りの心を断ち切ることが出来て、悪意のない誰に対しても平等な心を持つことが出来るといいます。
一気に全部行うことや、常にその心でいることは難しいです。
これが出来れば、とても平静で幸福な生活となることでしょうが、どうしても腹の立つこともあれば、許せないこと、好きも嫌いもあるのが人の心です。
しかし、1日の中で一回でもいいので、どれか一つの心を実践するようにすると、ハードルは低くなります。
そうやって、長い時間をかけて少しずつ機会を増やしていけばいいと考えています。
いつの間にか周りの存在たちが幸せになり、自分にも平静で幸せな生活がもたらされる。
そういう風景を想像すると、まるで日向でまどろむような心地よさを感じます。
とても好きな教えです。